
音を聴く
人間の耳のは無意識に聴きたいと思う音を聴き、聴きたくない音を聴かないと言う特性(マスキング効果)があると言われています。
人によって差があるにせよ、音楽を聴く時も無意識のうちに聴いていない音があると言う訳です。
まずはその事に気付く必要が有ります。
当然ながら音楽制作をするには意識的に特定の音にフォーカスして聴く事が出来るスキルが必須となります。
そして日頃から、特定、または様々なジャンルの音源で訓練の為に試聴を繰り返す事が重要です。
その事を怠ると実作業の中で意識的に特定の音にフォーカスするする事が出来ず、音楽制作の作業過程でミスを犯す確率が高くなります。
耳を養う
意識的にフォーカスした音を聴く耳を養う為に必要不可欠な物が二つあります。
まずは、聴く対象となる大量の音源(録音物)です。
昔はCD1枚に3千円近い出費をする必要がありましたが、今はストリーミングメディアが有り、それを利用すれば比較的安価なライブラリーを構築する事が可能です。
その中でも、理想を言うならば非圧縮の音源を聴く事が出来る配信サイトが良いでしょう。
次に、音を聞く環境、これはとても厄介な問題の1つです。
理想を言えば完璧なリスニング環境のスタジオを構築する事になります。
しかし、現実的にはそうも行きません。
始めたばかりの者にとってあまりにもその冒険は無謀過ぎます。諦めるべきでしょうか?
解決するには?
時代は問題の解決を手助けしてくれます。
昔に比べれば現在のコンピュータは性能も上がり優秀なソフトウエア(プラグイン)も数多く開発されました。
そして、最近ではグラミー賞を受賞しているようなアーティストの中にも、我々にも手の届くような自身のベッドルーム・スタジオで音楽制作を完成させたりするアーティストも出てきました。
しかしながら、仮に音を出せたとしてもマスタリングスタジオの標準では常時85dbと言う一般家庭では相当大きい音でモニターする事が必須とされています。
そこで、我々のように完璧なスタジオを所有していない者にとってのモニタリング環境は何かについて考えてみると、住宅事情から考えてみても選択肢はヘッドホンの一択しかないと言う事になります。
では、そのへットホンの機種や種類については何でも良いのでしょうか?
ヘッドホンは費用対効果が高いといえますが、なぜかDTMを始めたばかりの人はヘッドホンにあまり予算をかけていないように思えます。
例えばゼンハイザーやベイヤーダイナミックなどスタジオグレードのヘッドホンでも5万も出せば買えますので、密閉型と開放型の2種類のヘッドホンを用意すると良いでしょう。
一度視聴してみればお分かり頂けますが、それらのヘッドホンは明らかにコンシューマー用の物とは音の解像度並びに音像の定位感が異なります。
しかし、それらのヘッドホンにも特性が有り、アプリケーション等によりキャリブレーションする事でフラットに近いで音で聴く事が可能となります。
そのキャリブレーションするアプリ•ブライグインの中でも実績が有り最もおすすめ出来るのがSonarworks SoundID Referenceです。
初めて使用した時はフラットとはこう言う事なのかと驚きました。一般的にオーディオの評価などで言うフラットな音と言う表現などは全く的を射ていない事が分かります。
また、リスニング環境シミュレーションも車の中での過酷な音響や他のヘッドホン等、様々なシチュエーションが用意されています。
私自身、使用する前と今とでは音の聞こえ方が全く違って来たと思えるほど音に対する意識が変わりました。
急いで音楽制作の勉強をスタートするのも重要ですが、それと同時にこう言ったアプリを使って意識的にフォーカスした音を聴く耳を養う事も重要ではないでしょうか?
そして年月が経ってみると、モニタリング方法を意識して作業した事は相当なスキルアップになっている事でしょう。